Diary

時代 . . . そして . . . 卒業。

2010.07.01

今年は僕のアパレル同期「S49&S50年代」が数人、卒業して行く。

僕たちの20代は熱かった。

本当に服が好きだった。

仕事も必死でやっていた。

そして、同期でよく飲んだ。

酒のつまみも服の話し。

話しの内容も世界を股にかけていたし僕も含め皆、海外でも仕事をしていた。

時代なのか . . .

同期と言ってもひとつ上の先輩になるのだが、先月電話があった。

先輩:「耳に入ってるかもしれないけど店閉めることにした。」

僕:「なんで?! お店は順調でしょう??」

それから少し先輩の話しを聞いた。

そして、この一言に尽きると感じた。

「自分のなかで服に対する情熱が冷めてきてるのを感じた」と。

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寂しかった。切なかった。

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でも、でも この人らしい決断の仕方だと思った。

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当店を愛してくれてる皆様にこのブログを書くのを凄く悩んだ。

でも、僕の中でだいぶ消化できたし、誤解されないように書けると思ったから。

今の時代は、服好きの人間には厳しい時代。

服はどこでも手に入る時代。

安価な服から高価なものまでインターネットでポチッの時代。

うんちくなんかうざい時代。

僕たちの20代とはまるで反対。

僕たちは、穴があくほどファッション雑誌を見て、欲しい服は足で探した。

買えないヴィンテージ、買えないハイブランドは、どうやって服ができてるのか、その服の出来上がる行程や歴史を図書館に行って調べたり、ハイブランドはそのデザイナーの生い立ちや履歴まで調べていた。

服=バックボーン が僕らの定義だった。

でも時代が一気に変わった。

これも時代の進歩。

それに逆らっては仕事は勤まらない。

昔の人はよく言ったもの「好きなことでは、飯は食えない。」

まさに僕たち同期は、これに行き詰まった。

だったら店を辞めるのか?!

考えたことがないと言ったらウソになる。

でも、さっきも書いたけど僕の中でだいぶ消化できたから大丈夫。

僕は人が好き。

いつからだろう。

きっと波乗りが好きになった頃。

この感覚は本当に不思議なんだけど波乗りをしていると人が好きになる。

僕だけじゃないと思うけど。

僕は、海から自分のちっぽけさを教えてもらったのと同じくらい自然のありがたみ

と生きてることのありがたさを感じさせてもらってる。

そして、ちょっとしたことで喜び感じるようになった。

僕は好きな服屋をしながら、服を買ってくれたお客様が笑顔で帰ってくれること

がなによりも喜びを感じてる。

服だけじゃない . . . 人が喜んでくれることが自分の喜びとなっている。

この感覚は20代の時にはなかった。

これはうれしい僕の中での時代の変化。

だから、僕は服屋を少しでも長くやっていきたい。

服が人を幸せにしてくれる存在だと今でも信じているから。

これからもこの田舎のちっちゃな服屋をヨロシクです(笑)。

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